11月25日 平成26年岩手県子ども虐待防止フォーラム

本日は表題のフォーラムに参加して参りました。

【活動紹介】「里親の子育て~”子どもは社会の宝”を信じて~」岩手県里親会長 高橋忠美氏24年間の里親経験の中から感じたことをお話いただきました。一言一言に、高橋さんの温かいお人柄がにじみ出ていらして、そして、1つ1つが実体験に基づいた地に足の着いた言葉で、もっと長くお話をお聞きしたかったです。

「本来なら実親の元で愛情深く育てられるはずが、施設や里親家庭で暮らさなければならない、そのこと自体が虐待だと思います。」というお言葉は、重く胸に響きました。

いただいた資料の中に「皆さんにお願いしたいこと」というメッセージがございましたので、ご紹介させていただきます。

★各地区には、養育あるいは養子縁組里親が身近にいるかもしれない

★養子縁組里親も大切な命を預かり、懸命に子育てに取り組んでいる

★里親家庭で暮らしている里子を差別しないこと、特別視せずに普通に接してほしい

★里子は最初からハンディを負っている、ハンディに負けないように見守ってほしい

★里親は学問的装備不足である、善意から出発していることを理解願いたい

★里親は社会的養護の大切な担い手である、普及に協力願いたい

【講演】「子ども虐待~子どもへの影響と支援のあり方~」

【講演】「子ども虐待~子どもへの影響と支援のあり方~」

山梨県立大学人間福祉学部福祉コミュニティ学科教授 西澤哲氏

前半の活動紹介を受け、当初の演題の前に里親に関して急遽内容を加えてお話されました。

(日本の社会的養護の現状)

日本では社会的養護が必要な子どもが約4万人いて、その約90%が施設養育、約10%が里親養育。この割合は先進国では極めて特異であり、米英では100%近くが里親養育(これはこれで行き過ぎだと思う・・・とのコメント)。政府は里親養育の割合を30%まで引き上げる目標を立てている。

(日本の里親養育)

日本で里親養育が広がらない理由として、日本では「自分も社会を担っている一員だ!」という当事者意識が欠如している国民性があるのではないか。諸外国では里親であることは尊敬の対象であり、地域全体で里親を支えようという制度や社会の眼差しがあるのに、日本では残念ながら里親を支える公的な制度も薄く社会の眼差しも冷ややかで、差別や偏見を持たれることすらある。里親はとてもハードな仕事であり、周囲の精神的な支えが不可欠。諸外国では信仰心が里親の精神的な支柱になっているケースが多い(「神様の思し召しで、この子が私の元に来てくれた。神様がこの子と私を選んでくださった。」)が、日本は世界的にも珍しい信仰を持たない国民がほとんどの国。そのことも、里親の精神的サポートの手薄さにつながっているのではないか。

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11月は児童虐待防止推進月間ということで、全国的にも岩手県でも虐待などについてマスコミにもフューチャーされますが、決して「1年に1回のイベント」的な扱いであってはならないことがらです。一人一人ができることは小さいかもしれないけれど、一人一人が子どもの健やかな成育環境について心を寄せることで、社会はじわりと変わっていくのではないかなと、思う(願う?)今日この頃です。(kazuko)


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